30秒でわかる結論
泥ラボの成分検索データベースでクレンジング115品(オイル・クリーム・バーム・ジェル・ミルク・リキッドの主要6タイプ)の成分表示を集計したところ、40品(35%)に何らかのシリコーン系成分が配合されていました。ただし配合率はテクスチャーによって大きく差があり、クリームタイプが68%、ジェルタイプが54%と高い一方、ミルクタイプは22%にとどまっています。もっとも多く使われている成分は「ジメチコン」で、役割タグは油性の基剤(オイル分)です。危険性の評価は本記事では行いません。「シリコーンは肌に悪いのか」という噂の検証は、既存記事にゆずります。
「ノンシリコン」志向でも、クレンジングは見落とされがちな理由
「ノンシリコン」は、シャンプー・トリートメントなどヘアケア領域でよく見かける志向です。髪への蓄積を気にして「ノンシリコン処方」を選ぶ人もいます。一方でクレンジングは、成分表示が見落とされやすい製品の一つかもしれません。
実際には、クレンジングにもシリコーン系成分は一定の割合で配合されています。本記事で確認するのは「危険かどうか」ではなく、どのタイプにどのくらいシリコーン系成分が配合されているか、という配合実態そのものです。
クレンジング115品を検証:配合率はテクスチャーで大きく差があった
泥ラボの成分検索データベースには、クレンジング製品としてオイル・クリーム・バーム・ジェル・ミルク・リキッドの主要6タイプが登録されています。このうちサンプル数が一定以上ある115品について、成分表示にシリコーン系成分が含まれているかを集計しました。結果は下の表のとおりです。
| テクスチャー | 集計対象数 | シリコーン配合あり | 配合率 |
|---|---|---|---|
| クレンジングクリーム | 19品 | 13品 | 68% |
| クレンジングジェル | 13品 | 7品 | 54% |
| クレンジングリキッド | 6品 | 2品 | 33% |
| クレンジングバーム | 14品 | 4品 | 29% |
| クレンジングオイル | 54品 | 12品 | 22% |
| クレンジングミルク | 9品 | 2品 | 22% |
「クリーム・ジェルタイプに多く、ミルクタイプは意外と少ない」というのが、実際のデータから見えた配合実態です。オイルタイプは母数(54品)こそ多いものの、配合率としては22%とミルクタイプと同水準にとどまっています。
配合されている成分の内訳:もっとも多いのは「ジメチコン」
シリコーン系成分が配合されていた40品について、実際にどの成分名が使われているかも合わせて集計しました。もっとも多かったのは「ジメチコン」で、40品中27品に使われています。データベース上でジメチコンに付与されている役割タグは「油性基剤(oil_base)」、つまりオイル分・基材としての役割です。
次に多かったのは「ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン」(8品、役割タグ:皮膜形成剤)でした。それ以外は「シクロペンタシロキサン」「カプリリルメチコン」など油性基剤の役割を持つ成分が数品ずつという内訳でした。乳化剤・増粘剤としての役割を持つシリコーン系成分は少数派です。
この内訳から分かるのは、クレンジングで使われているシリコーン系成分の主な役割は「オイル分の一部」だということです。テクスチャーごとの配合率の差がなぜ生じるのかについて、データベース上で確立した因果関係までは分かっていません。ただし、油分の設計が処方ごとに異なることと関係している可能性は考えられます。
見分け方:成分表示でシリコーン系かどうかをチェックする方法
成分表示でシリコーン系成分を見分けるときの目印は、名前の語尾です。「◯◯コン」「◯◯メチコン」「◯◯シロキサン」といった語尾を持つ名前の多くは、シリコーン系成分です。
- 「メチコン」「ジメチコン」を含む名前:もっとも数が多いグループ。単体で使われることが多く、役割は油性基剤が中心です
- 「シロキサン」を含む名前:シクロペンタシロキサンなど、揮発性の高いタイプに多い語尾です
- 「PEG-◯◯ジメチコン」のような名前:シリコーンとPEG(ポリエチレングリコール)が結合したハイブリッド成分です。この種類の成分の詳しい説明はPEG系成分の正体|洗顔32%・クレンジング45%に配合される合成ポリマーで扱っています
表にない名前や見慣れない名前が出てきたときは、成分検索で個別に調べると、その成分がどう説明されているか確認できます。
「シリコーンは肌に悪い」という噂について
本記事は配合実態の事実提示に限定しており、シリコーン系成分の安全性についての評価は行いません。「毛穴に詰まる」「肌に悪い」といった噂の発端や、公的機関の見解にもとづく検証は、化粧品の「危険な成分」は本当に危険?|噂の発端と規制から15成分を検証で扱っています。気になる方はそちらを参照してください。
よくある質問(FAQ)
Q. ノンシリコンのクレンジングを選べば、それだけで良い処方といえますか?
A. 一概にそうとは言えません。今回の集計で分かるのは配合の有無・頻度だけで、洗浄力や使用感、他の成分との組み合わせまでは判定できないためです。「ノンシリコンかどうか」は選び方の一つの目安にとどまります。
Q. なぜミルクタイプはシリコーンの配合率が低いのですか?
A. 今回のデータベース集計では、ミルクタイプ9品中2品(22%)という結果でした。クリーム・ジェルタイプより低い理由について、データベース上で確立した説明は見つかっていません。処方全体の油分設計の違いが関係している可能性はありますが、断定はできません。
Q. 「PEG-10ジメチコン」のような名前は、シリコーン系と考えればよいですか?
A. はい。シリコーンとPEGが結合したハイブリッド成分で、データベース上もシリコーン系のタグが付与されています。PEG系成分としての側面についてはPEG系成分の正体で詳しく解説しています。
Q. クレンジングのテクスチャーごとの基本的な違いをもっと知りたいです。
A. オイル・ジェル・ミルク・バーム・ミセルウォーターなど、タイプ別の役割や仕組みの基本はクレンジングとは|役割・仕組み・タイプ別の違いで解説しています。
まとめ
クレンジング115品を集計した結果、シリコーン系成分は全体の35%に配合されており、クリームタイプ(68%)・ジェルタイプ(54%)で多く、ミルクタイプ(22%)では少ないという配合実態が確認できました。もっとも多く使われている成分は油性基剤の役割を持つ「ジメチコン」です。成分表示では「◯◯コン」「◯◯シロキサン」といった語尾が目印になります。安全性の評価は本記事の範囲外ですので、気になる方は関連記事を参照しながら、配合の有無を自分で確認する材料としてお使いください。
データについて:本文の件数・割合は、泥ラボの成分データベース(2026年8月26日〜9月4日に、各メーカー公式サイト等に掲載された全成分表示を転記・照合した市販品 約850品)を、記事公開時点の収載データで編集部が集計したものです。収載商品は編集部が市場調査で選んだもので無作為抽出ではないため、市場全体のシェアや売れ筋の割合を示すものではありません。
参考資料
- 化粧品の成分表示の趣旨説明(日本化粧品工業会、2026年9月29日確認)
- シリコーンオイル 製品分類別の一覧|化粧品用シリコーン セレクションガイド(信越化学工業 信越シリコーン、2026年9月29日確認)
- KF-96A-6CS(化粧品表示名称:ジメチコン、用途:油剤)(信越化学工業 信越シリコーン、2026年9月29日確認)
- KF-995(化粧品表示名称:シクロペンタシロキサン、揮発性の環状シリコーンオイル)(信越化学工業 信越シリコーン、2026年9月29日確認)
- KF-6017(化粧品表示名称:PEG-10ジメチコン、ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤)(信越化学工業 信越シリコーン、2026年9月29日確認)
- KF-56A(化粧品表示名称:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、低粘度・不揮発オイル)(信越化学工業 信越シリコーン、2026年9月29日確認)
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