- 角栓はタンパク質のほうが多いと報告されています:花王の研究では、脂質(皮脂)が全体の3〜5割なのに対し、タンパク質(剥がれた角層)は5〜7割を占めるとされています。あくまで報告された範囲であり、角栓の状態によって比率は変動しうる点に注意してください。
- 層状の構造になっているとされています:固形の皮脂と剥がれた角層(タンパク質)が交互に重なった、ミルフィーユのような構造だと説明されており、一種類のアプローチだけで丸ごと崩すのは難しいと考えられます。
- だからこそ、対処法は別記事に委ねます:この記事は角栓の中身を数字で理解するための記事です。具体的にどう落とすかは、洗顔方法を比較した既存記事にまとめています。
毛穴に詰まる白いポツポツ、いわゆる角栓は「皮脂の塊」というイメージを持たれがちです。
実際、そのイメージから「皮脂を溶かせば角栓は取れる」と考えてクレイパックだけに頼っている方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、角栓の中身が実際にはどんな比率でできているのか、花王の研究をもとに数字で整理し、なぜクレイだけでは角栓が落ちにくいのかを確認します。
角栓は本当に「皮脂の塊」なのか?花王の研究に見る数字
花王スキンケア研究所の尾沢敏明氏によると、角栓の断面を赤外分光によるイメージングや電子顕微鏡で詳しく観察したところ、脂質(皮脂)の割合が全体の3〜5割であるのに対し、タンパク質(剥がれた角層)はそれを上回る5〜7割を占めていることが明らかになったと報告されています(花王「花王の顔」2021年12月15日公開の研究より)。
「角栓=皮脂」というイメージとは異なり、実際には皮脂よりもタンパク質のほうが多く含まれていた、という点がこの研究の要点です。
ただし、この比率はあくまで花王の研究で報告された範囲であり、すべての角栓が常にこの数値どおりというわけではありません。年齢や肌質、毛穴の状態によって比率は変動しうる点は押さえておく必要があります。
詳しい出典は花王「花王の顔」の該当ページで確認できます。
年齢を重ねると、角栓の中身はどう変わるとされているか
花王の同じ研究チームが2021年12月に公開した別の記事では、年代によっても角栓の中身の比率が変わるとされているのです。
年齢とともに皮脂の割合が少なくなり、剥がれた角層(タンパク質)の割合が相対的に多くなっていくと説明されており、年齢を重ねるほど角栓が「それだけ落としにくいものになって残っていく」と報告されています。
角栓は層状の構造?「一発で溶かす」が難しいとされる理由
同じ花王の研究では、角栓の構造について「タンパク質の殻―皮脂―タンパク質の殻―皮脂……と、たとえるならミルフィーユのように、異なるものが何層にも重なっている」と説明されています。
皮脂と剥がれた角層が単純に混ざっているのではなく、層になって重なっているというイメージです。
この層状の構造が事実だとすると、皮脂だけを溶かすアプローチ、あるいはタンパク質だけを吸着するアプローチのどちらか一方では、角栓全体を丸ごと崩すのは難しいと考えられます。
皮脂を溶かす仕組みとタンパク質を吸着する仕組みは、そもそも狙っている対象が違うためです。
クレイ(泥)は、この層状の構造にどこまで作用するのか
皮脂とタンパク質が層になって重なっているとすると、「クレイ(泥)を使えばその両方に効くのでは」と考えたくなります。
ただし、クレイ(粘土)は表面積が大きく、水溶液中の有機物やイオンなどを表面に吸着する性質があると説明されています。
花王の研究で示されたのは、角栓が石けん液に浸してもほとんど溶けず、剥がれた角層(タンパク質)が「殻」となって皮脂と層をなしているという点です。
つまり、分散していない固形の殻そのものを、吸着という仕組みだけで崩せるかどうかは、今回確認した情報の範囲では別の問題として扱う必要があります。
この記事はあくまで角栓の中身を数字で理解するための記事であり、クレイやその他の洗浄方法が層状構造のどちらにどこまで作用するかという「対処」の議論は、次の項目で紹介する既存記事に委ねます。
では、実際にどう対処すればいいのか
この記事の目的は、角栓の中身を数字で理解することです。
角栓と泥パックの向き合い方の基本は角栓ケアと泥パックの位置づけ、見た目の黒ずみとして気になる場合は毛穴の黒ずみ|泥で落とせるもの・落とせないもの、実際にどの洗顔方法が角栓に効くのかを比較したい場合は洗顔の5方式(スクラブ・酸・酵素・泥・界面活性剤)比較|角栓に効くのはどれかで、それぞれ具体的な対処法を整理しています。
よくある質問
Q. 角栓は本当に皮脂よりタンパク質のほうが多いのですか?
A. 花王の研究では、脂質が3〜5割、タンパク質が5〜7割と報告されています。ただしこれは報告された範囲であり、すべての角栓が常にこの数値どおりとは限りません。
Q. クレイパックだけ続ければ角栓はいずれ取れますか?
A. 花王の研究では、角栓は石けん液に浸してもほとんど溶けず、剥がれた角層(タンパク質)が「殻」のように皮脂と層をなしていると説明されています。クレイの吸着は主に、水に溶けている・分散している物質に働く仕組みとされるため、この固形の殻そのものを崩せるかどうかは別に確認が必要です。具体的な洗顔方法の選び方は、洗顔の5方式比較|角栓に効くのはどれかで整理しています。
Q. 年齢によって角栓の対策は変えたほうがいいですか?
A. 年齢とともにタンパク質側の割合が相対的に増えるとされています。具体的にどう対策を選ぶかは、上記の関連記事を参考にしてください。
まとめ
角栓は「皮脂の塊」というイメージを持たれがちですが、花王の研究では脂質3〜5割・タンパク質5〜7割と、タンパク質のほうが多いと報告されています。
皮脂と剥がれた角層が層状に重なった構造だとされており、皮脂を溶かすアプローチとタンパク質を吸着するアプローチはそもそも狙っている対象が違います。
角栓は石けん液に浸してもほとんど溶けず、剥がれた角層(タンパク質)が「殻」のように層をなしているとされており、クレイの吸着(水溶液中の物質を粒子の表面に取り込む働き)だけでこの固形の殻を崩せるかどうかは、今回確認した範囲では別問題として扱う必要があるのです。
クレイパックだけで角栓が根こそぎ取れないと感じる背景には、こうした構造の複雑さが関係していると考えられます。具体的な対処法は、関連記事で確認してください。
参考資料
- 花王の顔|鼻の頭だけじゃなかった?花王独自の解析からわかった角栓の真実(花王株式会社、2021年12月1日公開、2026年9月29日確認)
- 花王の顔|なぜ角栓は落ちないのか?スキンケア研究員が暴く驚きの実態(花王株式会社、2021年12月15日公開、2026年9月29日確認)
- 花王の顔|毛穴詰まりに王手を!難敵「角栓」を崩す華麗なる洗浄剤(花王株式会社、2021年12月22日公開、2026年9月29日確認)
- 角栓を崩壊除去する新しい洗浄技術(Colloid & Interface Communications 49巻4号 p.43-47、2024年)(公益社団法人日本化学会 コロイドおよび界面化学部会、2026年9月29日確認)
- 粘土基礎講座I 粘土の特性と応用(粘土科学 41巻1号 p.26-33、2001年)(日本粘土学会、2026年9月29日確認)



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