酵素洗顔とクレイ洗顔の違いは?どっちを選ぶ・クレイパックとの併用のコツ

酵素洗顔のパウダーとクレイ洗顔のクレイを並べて比較したイメージ 泥の基礎(とは・仕組み・選び方)
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30秒でわかる結論毛穴のザラつきや毛穴の汚れが気になるとき、候補に挙がるのが「酵素洗顔」と「クレイ(泥)洗顔」です。ただし、この2つは得意な”落とし方”が違います。酵素はタンパク質・皮脂をゆるめて落としやすくするタイプ、クレイは吸着して取るタイプ。ざっくりの選び分けはこの3つです。
  • 角栓・ごわつき・ザラつきが気になる → まず酵素(タンパク汚れ・古い角層にアプローチ)
  • 皮脂・テカリ・毛穴の汚れが気になる → まずクレイ(吸着でさっぱり)
  • 両方気になる → 併用(頻度と順番を分ければOK。後半で解説)
クレイパックと併用するなら、酵素洗顔とは日を分け、パックの日はふだんの洗顔料で洗ってからパックするのが無難です。どちらも「毎日ゴシゴシ」ではなく、肌質と頻度で調整するのが失敗しないコツ。この記事では、成分にくわしくなくても選べるよう、仕組みの違い→肌悩み別の選び分け→併用のコツ→注意点の順に整理します。

酵素洗顔とクレイ洗顔は「落とすもの」が違う

名前は似た文脈で使われますが、汚れへの働き方は別物です。ここを押さえると、選び分けが一気に楽になります。

  • 酵素洗顔:洗浄成分に酵素を配合したものです。主役はパパインなどのプロテアーゼ(タンパク質を分解する酵素)で、製品によっては油脂を分解するリパーゼも入ります。毛穴に詰まりやすい角栓(古い角質のタンパク質+皮脂のかたまり)や、肌表面のごわつき・ザラつきをゆるめて落としやすくするのが得意。泥ラボ成分DBで調べた範囲では、酵素入りの商品の多くが、使う直前に水で泡立てる洗顔パウダーでした(理由と成分データは後述)。
  • クレイ(泥)洗顔:カオリンやベントナイト、沖縄のくちゃなどの粘土鉱物を使い、皮脂や汚れを吸着して取るのが得意です。洗い上がりはさっぱりしやすく、皮脂・テカリ・毛穴の汚れと相性がよいタイプ。剤型は粉・練り・洗顔フォームなどさまざまです。

言い換えると、酵素は”ゆるめて落とす”、クレイは”吸着して取る”。

落としたい汚れの種類が違うので、「どっちが上」ではなく肌悩みで選ぶのが正解です。

泥がなぜ汚れや皮脂を吸着するのかは、泥が皮脂・汚れを吸着する仕組みで解説しています。

界面活性剤の乳化との根本的な違いは、洗顔で汚れが落ちる仕組み(界面活性剤の乳化とクレイの吸着の違い)をご覧ください。

毛穴に詰まる角栓は、皮脂と古い角質(タンパク質)が混ざって固まったものです。

花王の研究では、角栓に含まれる脂質は全体の30〜50%、タンパク質はそれを上回る50〜70%を占めると報告されています(出典:花王|なぜ角栓は落ちないのか)。

クレイは皮脂や汚れを吸着して落とすのが得意ですが、タンパク質そのものは分解しません。一方の酵素洗顔は、そのタンパク質にプロテアーゼが働きかけて分解し落とします。

狙う汚れの種類が違うからこそ、併用が理にかなうわけです。

酵素とクレイ、それぞれの働き

酵素:プロテアーゼは、タンパク質のつなぎ目(ペプチド結合)を加水分解して切る酵素の総称です(日本化粧品技術者会)。パパインはパパイヤ由来のプロテアーゼで、ケラチンなどのタンパク質を分解する働きがあり、角質ケアに使われています(Venetikidou ほか 2025)。リパーゼは、油脂(グリセリンと脂肪酸がつながったもの)を分解する酵素です(日本化粧品技術者会)。

クレイ:粘土の細かい粒は表面積が大きく、余分な皮脂や汚れを吸着します(Sarruf ほか 2024)。皮脂に含まれるオレイン酸やスクワレンが、イライト質・カオリナイト質などの粘土に吸着されることも実験で確かめられています(Pura ほか 2014)。スメクタイトなどの粘土鉱物は、層がマイナスの電気を帯びていてプラスのイオン(陽イオン)を取り込む性質(陽イオン交換)をもちますが(日本粘土学会)、これはイオンについての性質です。油性の皮脂が「マイナスの泥に引き寄せられる」という説明の根拠は確認できませんでした。

酵素洗顔にパウダー(粉末)が多いのはなぜ?

泥ラボ成分DBで、洗顔料・石鹸・泥パック203品の全成分表示を調べました。酵素(パパイン・プロテアーゼ・リパーゼ・蛋白分解酵素)を含む商品は23品で、そのうち19品が洗顔パウダーでした。化粧品の洗顔パウダーでは20品中16品、医薬部外品の洗顔パウダーは3品すべてに酵素が入っていた一方、洗顔フォームは71品中2品、化粧品の石鹸47品と泥パック18品では0品です。酵素名はパパイン14品、プロテアーゼ12品、リパーゼ11品、蛋白分解酵素2品でした(重複あり)。

パパインを水を含むジェルや乳液(O/W乳化)に0.8%配合した研究では、化学的な安定性の低さが外用製剤に使ううえでの制約とされ、ジェル・乳化のいずれも40℃で60日保存すると活性が当初の1割未満に下がりました(5℃では90日後も約7割を保持。Pinto ほか 2011)。洗剤の分野でも、液体に酵素を入れるときは保存安定性への配慮が必要とされています(池田・黒坂 2003)。各メーカーがパウダーを選ぶ理由を公式に説明した資料は見つかりませんでしたが、粉のまま保管して使う直前に水と合わせるパウダー形状は、こうした性質と相性のよい形だと考えられます。

一方、クレイ(カオリン・ベントナイト・海シルトなど)を含む商品は72品で、泥パックでは18品中17品、洗顔フォームは71品中21品、石鹸は47品中18品、洗顔パウダーは20品中6品でした。酵素とクレイの両方を含む商品は7品(洗顔パウダー5品、洗顔フォーム1品、医薬部外品の石鹸1品)にとどまりました。両方を取り入れたい場合は、別々の製品を日を分けて使うのが現実的です。

データについて:泥ラボ成分DB(2026年8月26日〜9月4日に公式サイト等の全成分表示を転記した854品・約360ブランド)のうち、洗顔フォーム・洗顔パウダー・洗顔ジェル・石鹸・泥パック(医薬部外品を含む)203品を集計しました。編集部が市場調査で選んだ市販品で、無作為抽出ではなく、市場シェアを表す数字でもありません。酵素は全成分表示に「パパイン」「プロテアーゼ」「リパーゼ」「蛋白分解酵素」がある商品、クレイはカオリン・ベントナイト・海シルト・モロッコ溶岩クレイ・タナクラクレイと「クレイ」「泥」を含む名称(泥炭は除く)がある商品として数えています。

比較表|酵素洗顔とクレイ洗顔

酵素洗顔クレイ(泥)洗顔
得意な汚れ角栓・古い角質・ごわつき(タンパク・皮脂をゆるめる)皮脂・毛穴の汚れ(吸着して取る)
洗い上がりなめらか・ツルッとさっぱり・すっきり
向く肌悩みザラつき・古い角質でくすんで見える・角栓テカリ・べたつき・毛穴の汚れ
よくある剤型パウダー(水で泡立てる)粉・練り・洗顔フォーム・石鹸
頻度の目安製品の表示に従う(毎日使える製品もある。敏感な時期は週1〜2回程度に)皮脂量しだいで毎日〜週数回
注意したい人乾燥・敏感(使いすぎでつっぱりやすい)乾燥・敏感(吸着が強いとつっぱりやすい)
どちらも「落とす力=強いほど良い」ではありません。自分の皮脂量とザラつき具合に合わせて選ぶのがコツです。

どっちを選ぶ?|肌悩み・肌質別の目安

迷ったら、「今いちばん気になる汚れ」で決めてください。

どちらも「毎日ゴシゴシ」は不要です。

落とすケアは”引き算”なので、やりすぎると必要な皮脂まで取れて、かえってつっぱり・乾燥の原因になります。

併用するなら|順番・頻度のコツ

「角栓もテカリも気になる」なら併用もアリです。ただし同時に強く重ねないのが鉄則。次の3点を守ると、落としすぎを避けられます。

  • 日を分ける:同じ日に酵素+クレイを重ねない。例)酵素は週1〜2回、クレイは別の日に、が無難です。
  • 肌の調子で頻度を落とす:乾燥やつっぱりを感じたら、どちらも回数を減らす。増やす方向に迷ったら”減らす”が正解です。
  • 落としたあとは必ず保湿:洗浄系のケアは保湿とセットで一つの流れ。とくに酵素・クレイの後は、化粧水〜乳液・クリームまで丁寧に。

洗顔とパックの使い分け(毎日の洗顔か、週数回の集中ケアか)はクレイ洗顔とパックの使い分けにまとめています。

頻度・置き時間・落とし方については、泥パックの頻度・置き時間・落とし方をご覧ください。

酵素洗顔とクレイパックを併用するときの順番

クレイパック(泥パック)は、洗顔のあとに泥をのせて置く使い方をします。酵素洗顔のすぐあとにパックを重ねると、落とすケアが同じ日に二重になります。パックの日は酵素洗顔を休み、ふだんの洗顔料で洗ってからパックにし、酵素洗顔は別の日に回すのが無難です。

組み合わせの一例は、酵素洗顔を週1〜2回、クレイパックはそれと重ならない日に。酵素洗顔の回数とパックの頻度・置き時間は、それぞれの製品の表示を優先してください。つっぱりや乾燥を感じたら、どちらも回数を減らしましょう。

使うときの注意(やりすぎ・つっぱり)

  • 回数を増やしすぎない:どちらも”落とす”ケアです。頻度が高いほど良いわけではありません。
  • こすらない:酵素もクレイも、泡や泥をやさしく転がすだけで十分。摩擦は避けましょう。
  • クレイ洗顔は肌に長く置かない:泡や泥を長時間のせず、洗ったらすぐ流します。泥を置いて使う「パック」とは別物です(→クレイ洗顔とパックの使い分け、置き時間は泥パックの頻度・置き時間・落とし方)。つっぱりが気になるならクレイパックがつっぱる原因と選び方も参考に。
  • 肌に異常を感じたら中止:赤み・ヒリつき・かゆみが出たら使用を中止し、続くときは皮膚科医に相談してください。

酵素による角質ケアは、スクラブなどの物理的な方法より穏やかとする論文があります(Venetikidou ほか 2025)。ただし、クレイまで含めて3つの肌あたりを比べた根拠は見当たりません。

酵素はタンパク質に働きかけるぶん、乾燥・敏感に傾いているときは頻度を下げ、ヒリつく・つっぱるときは休むのが無難。

製品や肌質による差が大きいので、その日の肌の調子に合わせて選び分けてください。

「物理スクラブ」とクレイの違いは、スクラブとクレイの違い|同じ物理でも削るか吸うかで掘り下げています。

酵素(分解)以外の角質ケアとの違いは、酸ピーリングとクレイ洗顔の違い|仕組みで選ぶ角質・毛穴ケアにまとめています。

くちゃ(沖縄の海泥)はどっち?

沖縄のくちゃ(海シルト)は粘土鉱物の泥なので、分類としてはクレイ(吸着)側です。

細かい粘土の粒が皮脂や汚れを吸着する、という働き方は上で説明したクレイと同じです。

素材の正体はくちゃとは?沖縄の泥の正体・成分、産地と工程は八重瀬のくちゃができるまでで解説しています。

「くちゃコスメを剤型で選びたい」ならくちゃコスメの選び方・比較が役立ちます。

泥全般の種類ごとの違いは、ガスール/カオリン/ベントナイト/くちゃ/死海泥 徹底比較をどうぞ。

よくある質問(FAQ)

酵素洗顔とクレイ洗顔、毎日どちらも使っていい?

同じ日に両方を重ねるのはおすすめしません。

酵素洗顔の回数は、製品の表示に従うのが基本です。花王は自社の酵素洗顔パウダーについて、毎日使えるとしたうえで、肌がデリケートな時期は週1〜2回程度をすすめています。クレイ洗顔は肌質しだいで毎日でも可(乾燥・敏感なら回数を控える)です。ポイントは酵素とクレイを同じ日に重ねないこと。

つっぱりや乾燥を感じたら、どちらも回数を減らしてください。

角栓には結局どっちがいい?

角栓は古い角質(タンパク質)+皮脂のかたまりです。そのため、タンパク質にアプローチする酵素洗顔が向きやすいといえます。

ただし、無理に押し出す・こするのは逆効果。やさしく続けるのが基本です。

敏感肌でもどちらか使える?

使い方しだいです。マイルドな処方を選び、短時間・少量・低頻度から始めてください。

パッチテストをして、赤みやヒリつきが出ないか確かめてから取り入れましょう。詳しくは敏感肌でも泥は使える?を。

洗顔だけで毛穴やザラつきはなくなる?

洗顔は汚れやザラつきの手入れをしやすくするもので、毛穴そのものを消したり治したりするものではありません。清潔に保ちつつ、保湿とセットで続けることが土台です。

落とせるもの・落とせないものの整理は毛穴の黒ずみ|泥で落とせるもの・落とせないものをどうぞ。

まとめ

酵素洗顔とクレイ洗顔は、役割の違いで選ぶのが近道です。

①酵素=タンパク・皮脂をゆるめて落とす(角栓・ごわつき向き)

②クレイ=吸着して取る(皮脂・テカリ・毛穴の汚れ向き)

両方気になるなら日を分けて併用。そしてやりすぎず・こすらず・落としたら保湿。この3つを守れば、落とすケアで失敗しにくくなります。

沖縄のくちゃに絞った選び方はくちゃコスメの選び方・比較へ。

クレイ洗顔を選ぶと決めたら、市販のクレイ洗顔の選び方(4つの基準)で具体的に絞り込めます。

参考資料

スクラブ・酸・酵素・泥・界面活性剤の5方式を横並びで比較した記事は、洗顔の5方式(スクラブ・酸・酵素・泥・界面活性剤)比較|角栓に効くのはどれかにまとめています。

この記事について:本記事は、クレイ/泥スキンケアの専門メディア「泥ラボ」編集部が制作・運営しています。特定商品の優劣や効果・効能を保証するものではなく、洗顔料の選び方の一般的な考え方を提供するものです。広告・アフィリエイトを含む場合は「広告・PR」と明記します。肌に異常を感じた場合は使用を中止し、症状が続く場合は皮膚科医にご相談ください。

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